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思想家T氏が語る
(努力が報われることのない社会を)
2006.8.3


——   結果が平等である必要はないけれども、機会は均等に与えられるべきです。しかし、努力が報われるとは限らない世の中になってきています。汗水ながして働いた者ではなく、ホリエモンや村上ファンドのような輩が富を手にするのはおかしいと思うのです。
 何を言うか。努力など、しないですむに越したことはないのである。努力ほど辛くて大変なものはない。できることなら、誰だって努力なんかしたくないだろう。

——  ですから、せめて努力をした後に報われる世の中でなくては。
 お主の発想は逆だ。確かに、報われるかどうか分からない状態で努力するのは辛かろう。だが、確実に報われるんだとしても、なお努力それ自体は、辛いのである。

 逆に、結果が平等な社会、つまり努力しても決して報われることのない社会にしてしまえば、誰も努力なんかしなくなる。努力しようとしなくてすむのである。努力を怠っている間の、えもいわれぬ焦燥感や罪悪感は、なくなる。

 ユー・ウィル・ビー・ネバー・リウォーデッド・フォー・ユア・エフォーツ。そういう社会が、本当は良いんだ。

——  はぁ?
 偉い人はみんな、こんなことは分かってるのだ。それなのに、みんなずるいから、声に出して言わないのである。

 なぜなら?

 自分たちの存在がまさしく、結果の平等を否定しているからだ。つまり、努力が報われない社会を認めることは、自らの地位を失うことでもある。

——  しかし……
 機会の平等は必要だが、結果が平等である必要はない、……というのが最近の風潮だ。しかし、結果が平等だと決まってさえいれば、無駄な努力などしなくてすむ。人生をおもしろおかしく生きればそれでいいのではないのか。

——  それでは競争原理が働かず、生産性が落ちてしまい、共産主義の失敗を繰り返すだけではありませんか。
 この手の話ではすぐに、そういう反論が起こる。しかし共産主義は失敗したのではない。20世紀には時期尚早だっただけだ。
 来たるべき時代には、生産など全てロボットがやってくれるのである。競争原理も生産性も必要ないのだ。ロボットが何もかもやってくれる時代にまで「努力は報われる」を持ち込んだら、全く以てカラ元気のカラ回りで、人間たちがガマン大会をやるだけになってしまうではないか。おそらく必要のない仕事を作り出して、わざわざそこで競争を作って苦労をする。もしかすると、その競争は軍事的なものになるかも知れない。

 ロボットが何もかもやってくれる時代には、「合い言葉はネバー・リウォーデッド」という思想が必要になるのである。

——  だいぶ先の話で、私には想像ができません。


閉鎖希望 さんのコメント:
「要領だけがいい奴がいちばん偉い」というとんでもない考えはダメ! No.27
mahall さんのコメント:
背徳の賢者・ルオンさん
コメントありがとうございます。
>・・トピックスの趣旨とはだいぶ離れてしまっておりますな・・
実は離れていないと思います。意外に重要な議論だと思います。
しないですむ努力をロボットに代行させることが可能かどうか、ということがこのトピックを検証するための肝であるからです。
そのロボットを維持していくにあたって、
(1)そのエネルギーを誰が与えるのか
(2)そのメインテナンスを誰がするのか
という2点について検証する必要がありますが、私の考えは以下です。
(1)そのエネルギーを誰が与えるのか
⇒先述の通り、太陽が与えることができるので、この点に関して人間は不要です。
そもそも熱力学の第2法則をもって本トピックに反論することは、論理の飛躍です。この点エマさんに同感です。
(2)そのメインテナンスを誰がするのか
⇒背徳の賢者・ルオンさんのいうとおり、ロボットのメンテナンスに際して、「フレキシブル」な考えが必要な点が確かにあります。
なぜ「フレキシブル」な考えが必要になるのか?
それは、ロボットの動作する自然環境について、現在の人類では計り切れない事象が大いにあるから、という要因もありますが、
それよりももっと大きな要因は、フレキシブルな人間のためにロボットを動作させようという前提があるからだと思います。
例えて言いますと、最低限食べて寝るだけで満足する人間のために動作するロボットをメインテナンスフリーにすることは比較的容易でしょうが(もちろん現時点での技術では困難なのは承知です。将来の話)、
自由に行動しようとし、自由に思考しようとし、自由な感情を持とうとする人間のために動作するロボットをメインテナンスフリーにすることは高度な設計努力が必要になってきます。
...要は、自由を捨てれば努力は不要だということです。逆も真なり。
No.26
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