解散宣言・「正しい日本語を守る会」
隠れ家
2002.10.30


 「一体どんな店や?」と聞きたい。それほどまでに、「隠れ家的」「大人の隠れ家」「隠れ家風」等と、自ら「隠れ家」であると主張する飲食店が氾濫している。これは言うまでもなく一種のブームだ。しかし人気グルメ検索サイト「ぐるなび」でも見て頂きたい。笑ってしまうほど、滑稽なほど、バカバカしくなるほど、「隠れ家」を売り文句にしている店が多いのだ。ちなみに雰囲気の良い飲食店が多いことで知られる東京・青山の地名をキーに「Google」で「青山の隠れ家」を検索すると、実に43件も見つかる(2002.10現在)。なるほど青山は隠れ家のメッカというわけだ。

 「隠れ家」とは、「大辞林」によると

  かくれ-が 【隠れ家】
  人目を避けてひそんでいる家や場所。「犯人の―が見つかる」

とある。しかし、何を以てこれらの店主が「隠れ家」だと言い張るのかは疑問だ。私は「隠れ家的なお店」というのは、店の存在自体が目立たないことを指すのだと思っていた。しかし、複数の人の証言によると、「隠れ家的なお店というのは店の中が個室っぽく仕切られていることを指す」のだそうだ。もっとも、なんの取り柄もない薄汚いお店が、今や曖昧な形容詞「隠れ家的」を自称することで、いちおうウリができたかのように見える。

 私には、「隠れ家」というのは自ら宣伝文句にする言葉ではないように思える。なぜなら、広く宣伝している時点で「隠れ家」から「有名店」へ脱却しようとしているという自己矛盾が感じられるからだ。誰でも知っているところは隠れ家ではない。そう言う意味では、「隠れ家的お店」は「穴場」とほとんど同義なのかもしれない。

 いずれにしても気持ち悪いので、あんまり口を揃えて「隠れ家、隠れ家」と主張しないでいただきたい。言っていて自分で恥ずかしくないのだろうか。





【免責】このページは、筆者の考えで構成されているものに過ぎません。筆者は国語の専門家ではないこと、記述の正当性は何ら検証されていないこと、記述を参考にしたり転用したりした結果について責任を持てないことをお断りしておきます。
T さんのコメント:
「お店が隠れ家的な存在」なのではなく、「お店の中の雰囲気が隠れ家的」なのがウリなのですから、その手の表記に問題はないと思います。 No.4
店のアナアナアナ さんのコメント:
最近は店の「穴場」のことを「隠れ家」と言う場合もあります。 No.3
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