大半の国民が補助金で生活する
2001.8.6


 労働とセットにせずに富だけを配る、というのは、つまりは働かない者に補助金を与えることである。確かに現在でも、失業保険はその一つの形態だし、生活保護を受ける手もある。しかし、恒久的に、「働けるが働く気がない者」に対して補助金を出す制度はない。これは、おそらく働かない者に富だけを与えるというということに対する抵抗が根強いからだろう。「働かなくてはいけない」「労働は美しいものだ」——この呪縛から、共産主義を始めとする20世紀のイデオロギーは抜け出すことができなかった。しかし、私が唱えたいのは、「働かなくて良い社会」の構築である。これは、共産主義とか計画経済をいっているのではない。なにせ現行の社会システムは、科学技術の発達が我々に全く働かなくて済む状態を提供レベルに達しても、なお働かなくてはいけないというとんでもないジレンマに我々を陥れるのである。そんなばかばかしいことにならないためには、何度も繰り返すように、富を労働とセットでしか配れないことは資本主義の欠陥であると位置づけて、この解消を目指さなくてはならない。

 この実現手法は、簡単だ。「持てるものから絞り取り、持たざる者へ再分配する」ごとく、「働く者から絞り取り、働かない者へ再分配する」のである。とは言っても、労働意欲をなくすほど絞り取ってはいけない。この程度は、働く者の方が働かない者に比べて納得する程度に裕福な暮らしができる水準にするべきだ。こうすると、労働する人は全人口の一部にとどまり、大半の人は働くのがバカバカしくなって働かなくなる、こういった形になる。

 ところで、ここで労働の削減は、「全国民が週休5日になる」という方向には動かず、「国民の3割が働き7割が働かない」という形になる。前者であれば問題ないのだが、後者だからこそ、補助金行政が必要になるのである。では、どうしてそうなるのだろうか?

 ここにも、資本主義社会が前提としてきた産業革命以来の発想がある。人間は大きな工場に勤め、労働時間と生産量が比例し、個人の力量もあまり関係ない——世の中そんな仕事ばかりであれば、「全国民が週休5日」という具合でも成り立つだろう。しかし、現実はそうではない。まず作家や芸術家など創作的な仕事の多くは、同じ人が継続して行って初めて意味がある。会社の経営やプロジェクト管理、技術や熟練を要する医者・弁護士・研究者なども同じである。「全国民週休5日」で成り立つのは、ウェイターや各種運転士・熟練を要しない工場の作業員や土木作業員など、一部の業種に限られるだろう。

 従って、イデオロギーの話を別にしても、未来社会の完成形は、このように想像されるのだ。つまり、一部の人のみがクリエイティブな仕事や創作的な仕事につき、その他の仕事は機械化され、多くの人は働かない社会である。要は、働く人と働かない人に分かれていく。労働の内容や職業の性格から、こうなっていくと思えるのである。これを、労働者層と非労働者層というように呼ぶこととしよう。

 概して、世の中には、働くのが好きな人と、そうでない人がいる。前者にはいろいろなタイプがいて、単なる勤勉者もいれば、自己顕示欲や自己実現欲求、その他いろいろなものに駆られて働くわけだ。また、人より多く稼ぎたくて働きもな人もいる。このタイプは、元来の働き者とは違うのだが、いずれにしてもこういう人たち(労働者層)だけが働いて世の中を支え、他の人(非労働者層)は、働かなくても最低限の生活が保障される——それが、技術が発達した末の社会のあるべき姿と言えるのではないだろうか。


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言葉狩りマン さんのコメント:
No.6のコメントに「放送禁止用語」あり No.7
さんのコメント:
聞きかじりのアカかぶれみたいなノーガキこいてても滑稽なだけ。あんたにとっちゃ理想論なのかもしれんが、あんただけが思いついたような顔してゴタク並べなさんなよ No.6
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