Q
レストランで、麺が「ゆで過ぎ」で出されることが多いのはなぜですか。
A:
麺類というのは茹で時間こそが命と言えます。厳しいようですが、どんなにおいしい手打ちそばでも、茹で過ぎてしまえばそれでおしまいです。
ところが、たいていの客は、芯の残っているかたい麺には苦情を言うが、茹ですぎて伸びた麺類については、「まずい」と思うだけで苦情までは言わないという傾向があります。おそらく一般に、次のような認識があると考えられます。
「ゆで方の足りない麺」→「食べられないもの」
「ゆで過ぎの麺」→「単にまずいもの」
このため、前者については不良品であるかのように(あるいは生焼けの料理でも出されたかのように)「正当な権利」として苦情を言い、後者は「この店はまずいんだな」とあきらめるだけという具合になるのです。
このような事情から、やる気のない飲食店は、芯が残るよりはむしろ茹ですぎを選ぶ傾向が出てきます。理由は、「苦情を少なくすることが目標」なのであれば、幾分ゆで過ぎかげんにしておくに越したことはないという考えがまず一つです。また、「どうせ時間ぴったりには麺を上げられない」というあきらめがもう一つです。ゆで時間に誤差が出たときにも決して「かたすぎ」にはならないようにするためには、そもそも始めから「ちょっとゆで過ぎ」を目標にしておくという工夫をしているわけです。
このため、飲食店では麺類たるもの、ゆで過ぎになりやすい傾向があるのは必然的といえます。
最近パスタでよく言われる「アルデンテ」(=中央にわずかに芯が残っている状態で一番おいしい状態とされる)で麺を出すということは、どれだけ厳密に時間を管理して理想の状態で出しても、必ず一定割合の客に苦情を言われることになる、ということになります。
制作者は、ここに書かれた内容の正しさを保証しません。不完全または誤った分析・思い込み・フィクション・ユーモアなどで書かれたものもあります。
Q&Aのインデックスに戻る..